
むかしむかし、ある所に
kussy という名の食いしん坊がおりました。
ワイン給仕係 をなりわいとするその娘(少し年はいってますが

)は、どこまでも食い意地が張っており、自分の庭のゼラニウムの根元に繁殖した正体不明のきのこまで食べてしまうほど、危険を顧みない、
無鉄砲なところがありました。
ある年、記録的猛暑だった夏が過ぎ去り、秋風が吹き始める頃、毎年恒例となった
『お鍋開きの会』 をやろうではないか

・・・という話が盛り上がりました。
仕事を離れても、どこまでもサービスマン精神旺盛で、その上仲間内の
宴会部長でもあるkussyは、何をテーマにするか?苦悩する日々が続きました。。。
“まつたけ” ・・・それしかないではないか?・・・皆ソレを期待しているに違いないのではないか??
自分でもそう確信しつつ、何しろ昨年よりも三週遅れ、初物感という
ありがたみに若干欠けることを気に病むkussy。
その上収穫が減少し、価格が高騰している国産マツタケは、一介のワイン給仕係にはとてもとても手が出せません
しかし毎年、ふんだんに食べていた中国産松茸は、ご存知の通りのこのご時世。
無鉄砲で
怖いもの知らずの自分はよしとしても、大切な友だちを危険

にさらすことは、到底出来ますまい
そこでハリキリkussyは、かごを手に、自ら山へ松茸狩りに出かけました

・・・とさ
ふ〜っ・・・疲れた
今年の『お鍋開きの会』用にと、カナダ産を!とリクエストし、出入りの八百屋さんにお願いして届いた、見事な
松茸
夏の終わり、松茸について友人のYさんと話をしたのですが、彼は学生時代、カナダに留学していたので、カナダ産松茸に関して、私が抱いていた偏見がないのでした。
信頼している人の意見には、すぐに右へ倣えで影響を受ける、単純なクシモトです
カナダの松茸は何だか色が白いし、日本や韓国・中国などアジアのマツタケとはちょっと違うものらしい・・・ということを、旧体質の父から聞かされて育った私。
両親によると、昔は今ほど高くなかったから、いつも家では
広島産のつぼみを食べていたし、父の学生時代の親友が信州に松茸山を持っていたから、一緒に山に入ったり、毎年そのおじ様から送って頂いていた・・・そうなの。
子供の頃は香りの強いものは受け付けなかったし、椎茸をはじめとし茸類は食べられなかった、今からでは考えられないくらい好き嫌いの多かった私なので、そんなこと憶えていないな〜。
中学生の頃、松茸フライがようやく食べられるようになって(ただし、ブルドック・ソースをかけて!)そして松茸ゴハンもイケるようになり・・・秋になるとお弁当にセットでよく入っていたものです。
何はともあれ、カナダ産だろうが何だろうが、これだけたっぷりとあると、何だか豊かな気持ちになるし、香りはちょっと疑ってしまうくらい強いのです
さ〜、コレだけあればフライとお鍋で
たんと食べられるぞ〜〜〜

スターターは、アツアツ揚げ立ての
松茸フライにすだちをキュっと絞って
戻り鰹のお刺身は、Sちゃんのおもたせ大分より届いたカボスをお醤油に垂らして、実にフレッシュな自分流即席ポン酢でいただきます!
伏見甘長とうがらしは普段は生でかじったりソテーにしていますが、よくあるピーマンの肉詰めを模し、この後のお鍋用に作った鶏団子を流用して
つくねとしました。(某美食ブロガーさんのアイディアを拝借)
独特の細長〜い甘長は、ひき肉を詰めるのも一苦労

ではありましたが、ほんのり甘辛いつくねはお酒のアテにピッタリでした〜
頼むから皆、「ちょっと
ピーマン取って!」って言わないでね

ピーマンじゃなくて、甘長とうがらしでやった所に
意義があるんだから!!
かぼちゃの蒸し煮は、いつもと違った調理法で

切った南瓜にお砂糖をふりかけ数時間、浸透圧の作用で水分が出て汗をかいた状態のかぼちゃを、その水分とミネラルウォーター、一つまみの塩だけで煮るシンプルスタイル。
お醤油もお出汁も一切使わないのですが、甘みと旨味が凝縮して、ほっこり
ピュアで
端正な味わいに仕上がりましたよ

この調理法、オススメ
お箸休めの生野菜は、ボスの実家の福島から毎年今時分に届く、
春菊のサラダ
母上が丹精込めた美味しい春菊は、茎も柔らかで美味しいから絶対に捨ててはならない

・・・と再三に渡り釘を刺されておりました。
カリカリにしたパンチェッタを添え、薫り高い春菊を頂くと、これから冬に向かうんだな〜、と実感が湧いて来ます。
ボスの田舎は何でも過疎の山合いの村で、もう少しすると雪に覆われてしまうのだとか。。。

お目にかかったことはありませんが、高齢なのにセッセとお野菜を送って下さる福島県石川郡
石川町の
仲田ウメ子さんには心から感謝です

メインの
松茸鍋です
要するに土瓶蒸しを大きな土鍋でする・・・というイメージですが、贅沢に大きく裂いたマツタケを
ふんだんに頂く

ということに意義があるのです。
鶏軟骨入りつくねは、定番のぢんとらの極上山椒を効かせて。
土瓶蒸しといえば、三つ葉が必須ですね
お揚げは嵯峨・清涼寺にある
『森嘉』さんのもので、生湯葉は
『千丸屋』さんです。
タイミングよく、地元のデパートで京都展が開かれていたので、貴重な森嘉のお揚げが入手出来ました

京都でも清涼寺のお店か大丸で少し扱いがあるだけの、とってもレアなお豆腐屋さんです。
地元では、料理屋さんや湯豆腐屋さんでも、「森嘉のお豆腐つこてます!」・・・とわざわざ言うくらいにクオリティの高い豆腐なの。
子供の頃から、嵐山・嵯峨野を散策すると必ず、両親が森嘉でお豆腐を買ってブラブラと手に提げて持ち帰るので、京都のマンションでの朝ごはんは湯豆腐

と決まっておりましたっけ。。。
お揚げは手切りの手揚げだということが直ぐに伝わる、実に自然なお揚げさんですよ。
百合根とぎんなんがたっぷりと詰まった
“飛龍頭”(ひろうす=がんもどき)も入手し、お揚げと共に実家の冷凍室に保存してきましたから、ゆっくり出来る日にでも爺・婆(じじ・ばば)と一緒に楽しむこととしましょう
京都展は先週は日本橋の高島屋でもやっていたし、どこの百貨店でも初出店を競ってますよね
日本橋高島屋には、大好きな
『湯葉半』がやってくるのですが、こちらの百貨店には出店がなかった・・・

皆にも湯葉半の生湯葉を食べてもらいたかったけれど、人生そうそう上手くはいきません。。。
ごくごく薄いお出汁に具材をくぐらせ、サッと火が通ったところでスダチをかけていただきま〜す

クシモト&Sの酔っ払いコンビです
「まいう〜
」
・・・と言ったかどうかは記憶にありませんが、
Sさん!唇がそういうカタチになってますえ〜
・・・かくして、楽しい
『お鍋開きの会』 宴の宵は更けてゆくのでした・・・
